インターネット講座 -(7)-
桃太郎と社会心理(3)
鬼退治などに共通思想 〜ルーツは「ラーマヤ
ナ」や「西遊記」〜
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東洋の三大童話というと「インドのラーマヤナ物語」「中国の西遊記」
「日本の桃太郎」である。この3つの童話は、仏教から生まれたもので
ある。
ラーマヤナ物語は、悪魔が后(きさき)をさらって鬼が島に立てこも
る。これをラーマ王子が退治にいく。また、お供には、サルとタカとク
マが加わり鬼と戦う。ラーマヤナ物語は、明るく義理堅く、おおらかで
しかも勇気のある道を示す。
物語の一説に、「もしあなたが、良い行いをしようと思いついたらすぐ
お始めなさい。また悪い行いをしそうになったら、なんとか延ばしてす
ぐ始めるようなことがあってはなりません。私心のない行いは、ただち
になさるが良い。私心があるようだったら、私心のなくなるまでしては
いけません」と、人類のための暗示と教訓を説いている。
中国の西遊記は、玄奘(三蔵法師)の著した「大唐西域記」をモデル
に、今から400年くらい前に呉承恩が書いた童話本が現在の「西遊
記」である。
玄奘という偉いお坊さんが、危険な目にあいながら困難を冒し中国
か
らインドへ仏教の経典を取りに行くという話で、サル(孫悟空)、ブタ
(猪八戒)、カッパ(沙悟浄)がお供する。お供の3匹は智、情、意の3
つの面で困難にであうことがあっても、勇気をだしてこれに打ち勝つ。
日本の桃太郎物語は、仏教の伝来(西暦538年)によるインドのラー
マヤナ物語や中国の西遊記の源流にそって生まれた物語と言われ
る。ただ、日本の桃太郎は、神道思想の上に成り立つ東洋思想の物
語である。東洋思想は、鬼や悪魔は退治すべきだという共通の思想
に立っており、「智・情・意」のお供を連れていく点で一致している。
こ
のように東洋思想で、鬼退治をしてきた日本民族であるが、現状はど
うであろうか。
明治以来西洋文明を取り入れ、物と金の亡者になり果
てた私たちは、人間の幸福とは何か、桃太郎の原点に返って考えて
みる必要があるのではなかろうか。
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