インターネット講座 -(7)-
桃太郎と社会心理(2)

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歴史の真実を教える桃太郎  〜時の偽政者に よって伝説化〜


 「桃太郎」は、おとぎ話では正義のヒーローとして描かれている。桃 太 郎の最終目的は出雲を征服することにあった。つまり、桃太郎は出雲 の征服者なのだ。吉備津彦は吉備の平定の後、出雲に行き大王を討 つ。そして出雲の神宝を大和に持ちかえる。桃太郎の持ち帰った宝と は、「鉄」と「出雲の魂」である。大和朝廷は出雲を最大のおん念(反 政府勢力)の地としてとらえ、出雲大社を怨霊(おんりょう)封じ込めの ために建てるのである。
 政権を握った者がまとめた公式記録は、自分たちの正当性を強調 す るため脚色、かいざんが施される。桃太郎は、時の偽政者によって伝 説化された物語とも言えよう。


◆鬼の人権を守れ

 桃太郎では、「鬼」はだれもが納得する悪のイメージを持っている。 だ が敵の「鬼」からすれば、大和から一方的に侵略された被害者であ り、むしろ大和朝廷の吉備津彦が鬼ということになる。勝てば官軍で あるが、侵略者により殺され、奪われ、ひどい目にあった人たちが鬼 扱いされることは理不尽であろう。
 歴史から読み取る「善悪の世界」は勝者の論理で成りたっている。

 わ れわれは民俗学という学問で一般庶民の暮らしを発見し真実をつか みたいものである。

◆桃太郎には兄弟がいた

 戯曲「桃次郎」がある(阪田寛夫著・インタナル出版社)。桃次郎は 桃 太郎の弟であるが、気が弱く、か細い腕、きゃしゃな足、やわな体で あった。お兄さんの桃太郎にあやかり鬼退治に出掛ける。鬼が島で 見つけた木の実を食べ、頭に角が生え、鬼にされ捕虜となる。
 桃次郎は鬼が島で、人間と鬼が同じだということを知る。そしていつ か きっと鬼と人間は仲良くなること、仲良くしなくちゃと考え、桃太郎の やったことのおわびに働く。
 迎えにきた桃三郎にそれを教え、また宝物を欲しがっていたおじい さ んとおばあさんを反省させる。

 桃太郎物語の陰の部分を見事に演出する桃次郎、歴史の中の真 実 とは何かを教えてくれるから面白い。

 ちなみに桃太郎の兄弟は、桃次郎と桃三郎である。研究会では、さ ら に桃子を加え、かぐや姫との関連を探る。


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