インターネット講座 -(5)-
桃太郎と「桃・キビ団子・日本一」の研究(2)
実は「邪気はらう偉大な神」 〜古事記にある「桃
と鬼退治」〜
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桃太郎の母は、古事記に出てくる日本の桃と言われている。古事記
は天地創造から天皇の系譜・事件を記し、説話、伝承、神話などを含
んだ文学性にも富んだ奈良時代の歴史書である。
古事記に出てくる日本の桃。その話は「イザナギの命(みこと)」の
黄泉(よみ)の国訪問の事件である。黄泉の国とは、死者の行く他界
(あの世)のことで「イザナギの命」は、亡くなった妻の「イザナミの命」
に会おうと、死の国の黄泉の国にその後を追う。「イザナギの命」は、
妻の「イザナミの命」に会いたい一心で話しかける。「愛する私の妻
よ、私とおまえで造った国はまだ造り終わっていない。だからそれを
完成するために、現しの国(現世)に帰ってほしい」
すると「イザナミの命」が答え、「それは残念なことです、私はこの黄
泉の国の食事をしてしまいました。しかしながら、愛しい私の夫の『イ
ザナギの命』が迎えにきてもらったので、現しの国に帰ろうと思いま
す。とりあえず黄泉の国の神と相談してきます。その間、私の姿を見
ないでください」
そのように言って待たせた。その間大変長くかかり、待ちかねた「イ
ザ
ナギの命」は、とうとう中に入ってしまった。ところが、その時見た光景
は「妻の身体にうじがわき集まっている醜い死体の姿」であった。そこ
で、イザナギの命は、恐れおののいて黄泉の国から逃げ帰ろうとする
と、イザナミの命は「見たな〜、よくも私に恥をかかせたな」と言って、
黄泉の国の鬼を使ってあとを追いかけさせた。
逃げる「イザナギの命」、追う「鬼たち」。現しの国と黄泉の国の境に
到
着した時、「イザナギの命」がそこに生えていた桃の実を3個とってこ
れを投げつけると、鬼はみな逃げ帰った。そこで「イザナギの命」は、
鬼を追い払ってくれたその桃の実に「おまえは私を助けたように、す
べての人が苦しい目に会って苦しむときには助けてあげなさい」と
言って、桃の実に邪気をはらう偉大な神という意味の「意富加牟豆美
の命」(おおかむずみのみこと)と名付けた。
古事記の中の夫婦問題「みたな〜」事件、桃太郎の物語の、鬼と桃
につながっているから面白い。
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