インターネット講座 -(5)-
桃太郎と「桃・キビ団子・日本一」の研究(4)
物や順位にとらわれない心の尊さ 〜「日本一の
志」と行動説く〜
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健康優良児「桃太郎少年」が鬼退治をして凱旋(がいせん)してくる
お話は、子供のころから喜んで聞いた勇ましい童話である。その桃太
郎は、必ず「日本一」と書いた旗を掲げている。
では、この「日本一」という言葉にはどんな意味があるのだろうか?
「日本一」は、キビダンゴに付くという説では、キビダンゴは旅に出る
「弁当」であるという。今で言えばお金のことである。日本の親たちは
子供が志を立て世間に出る時には、できるだけのことをしてやるのが
当たり前であると考えている。
おじいさん、おばあさんが、かわいい子の旅立ちに当たり精魂込め
て
作った「キビダンゴ」を持たせたことを、親の恩として「日本一おいしい
キビダンゴ」と表現しているのだという。
一方、「日本一の桃太郎」と言うように、桃太郎が鬼退治するにふさ
わ
しい人物であることを表現しているという説もある。これは水戸黄門の
「葵(あおい)のご紋の印籠(ろう)のようなものである。
岡山県の甲冑(かっちゅう)研究家・福武一郎氏の著書「桃太郎は
吉
備の国に実在した」(倉敷出版社)によれば、「桃太郎」は江戸時代初
期に岡山近辺に実在した代官「福武三郎兵衛」で、江戸幕府の基盤
がまだ揺らいでいるころ、代官が反幕派を討伐した話(鬼退治)がもと
となったという。福武三郎兵衛の先祖が、藤原鎌足一族であることか
ら「日本一」を旗印に士気を鼓舞したというのだ。
桃太郎の日本一は、他にないおいしいキビダンゴであるとか、鬼退
治
に必要な「志」を表現しているのである。
ところで、最近の日本では「日本一」の使い方がおかしくなってい
る。
何でも一番でなければいけないとか、大きいことは良いことだと争っ
ている。順位や大きさだけを追い求めた結果、大きな組織は肥大化し
腐り始めた。昨今の大企業や官庁幹部の不祥事がこれを示してい
る。
桃太郎が言っている「日本一」は、決して順位や大きさではない。物
や順位にとらわれない心の尊さを語っているのだ。小さくても心のこ
もったことができること。そして善悪をわきまえ「日本一の志」を持ち行
動することの尊さを説いているのである。
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