ソーシャル・キャピタル(Social Capital)とは ソーシャル・キャピタルとは、社会科学における新しい概念で、「社会関係資本」と訳されています。 それは、次の3つの要素からなっています。 1、ネットワーク:人と人とのつながり 2、規範:「お互いさま」「有難う」という互恵性規範 3、信頼:人は信頼できるという「一般的信頼」と、知らない人よりも知っているほう がずっと信頼できるいう「個別的信頼」 ソーシャル・キャピタルの醸成には「ボランティア活動」などの市民活動が欠かせません。 現代社会の問題点はソーシャル・キャピタルの低下 社会の高齢化とともに「ネットワークの弱体化」「社会規範の影響力の低下」「信頼感の低下」が生じ、結果的に「地域元気力」の低下が深刻な状況となっています。 かっての日本社会はどうだったのか かっての日本社会は「モノ」の不足を「思いやり」で補う、豊かなソーシャル・キャピタルを形成していました。 この時代は、縦社会システムの行き過ぎから、「金太郎飴型」(いわゆる同質)人間のみ受け入れられ、異質を認める「桃太郎型」人間はその集団から排除されるなど弊害もありました。 しかしそれは「相互扶助関係」による地域社会での密接な関係、「治安の維持という」社会規範の強い影響力、「住民の安心と安定」を約束する相互の強い信頼感という効果がありました。 ソーシャル・キャピタルの効果 ソーシャル・キャピタルは、ネットワークの強さによる「健康の増進」やネットワークの広がりと調整が子供の学習機会を広げるなど「教育効果」を高め、またご近所のネットワークが「犯罪の抑制」につながっていきます。 新しい時代のソーシャル・キャピタル ソーシャル・キャピタルには従来型:組織・地域内部での等質的な結びつきの「結合型」(金太郎飴型)と組織間で異質なもの同士を結びつけるネットワークによる橋渡し型(桃太郎チーム型)があります。 結合型(金太郎飴型)は、安定と安心が利点ですが、閉鎖性と排他性が地域を毒する可能性があります。 戦後のサラリーマン化や核家族化は、古い地域のしがらみからの脱却を求め、会社など職域を中心としたコミュニティにシフトした経緯があり、「結合型」はそのデメリットを排除したものが要求されます。 一方「橋渡し型」(桃太郎チーム型)はメンバーの流動性を高め、変化への柔軟な対応を促す利点がありますが、不安定性はいなめません。 富山社会人大楽塾が養成する「ソーシャル・キャピタル・アドバイザー」は新しい時代の地域元気力創造リーダーとして、高齢者の社会参加型ネットワークを「結合型」に、ITによる「世代を超えたネットワーク」を「橋渡し型」と定義し、地域元気力創造のための提案や支援活動を行っていく予定です。 ソーシャル・キャピタル・アドバイザーの認定条件と活動フィールド 富山社会人大楽塾認定基準 塾の「ソーシャル・キャピタルアドバイザー」養成基礎講座(8単位)および地域またはネットワーク団体での現場実習(4単位)を修了すること。 基礎講座は、対面授業型(大楽塾で)または、Web教材によるeラーニングレポート提出があります。 対面授業では、大楽塾講師との指導が受けられ単位認定にはレポートの必要はありません。 Web授業では、レポートにより単位認定となります。 基礎講座カリキュラム 1、ソーシャル・キャピタルの基礎 2、コミュニティビジネスの基礎 3、エコマネー「地域通貨」の基礎 4、ネットワーク(付合い、交流)の基礎 5、ITネットワークの基礎 6、ボランティア・市民活動等民公活動の基礎 7、社会的信頼の基礎 8、コミュニケーション・レクリエーションの基礎 実習カリキュラム 1、富山社会人大楽塾部会イベントにて、世話人実習 2、同上イベントにて、講師およびリポーター実習 3、インターネット市民塾サポーター実習 4、公民館、地区センターでの見学・体験実習 認定後の活動 1、富山社会人大楽塾のネットワークでの講師登用(有償、無償含む) 2、公民館・町内会等への新ソーシャル・キャピタル提案とアドバイス 単位取得の特例 富山社会人大楽塾の入塾生については、大楽塾の部会が行う「単位認定イベント」に出席し、リポートを提出し場合にはこれを単位として認定する。 受講料他 対面授業および実習指導ともに、受講料は1単位2時間で3,000円(資料代は別途)です。必要12単位一括払いでなくその都度支払となりますので、ご自分のペースで単位取得してください。 その他実施要領については、富山社会人大楽塾ソーシャル・キャピタルアドバイザー(SC)アドバイザー係宛ご照会ください。 電話/FAX 076−422−4817 ○民公館(みんこうかん)とは ソーシャル・キャピタル・アドバイザーの資格をもつ民間人が自宅の一部を地域解放し、コミュニティビジネスとして、地域住民にサービス(生涯学習・地域コミュニティづくり、レクリエーション活動、まちおこし等)を提供する施設です。 民公館長は、地域住民に対し公的施設である公民館の積極的利用方法をアドバイスし、公民館活動をサポートします。民公館長は、地域住民と公民間との橋渡し役として位置づけています。 |